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銀(シルバー)とは??
古くから人々がアクセサリーとして使用しているシルバー製品
みなさんが一括りにしている銀はさまざまな形となり世の中に存在しています。
当店でもシルバーペアリング手作りコースが人気となっていますが、そもそも銀(シルバー)
のことをあまり知らない方も多いのではないでしょうか?
そんな銀という素材について、また当店で使用している銀についても詳しく記事にまとめてみました。初めて知ることや、銀が昔から人気な理由も知れると思います。
知る人ぞ知るシルバーの違い
・純銀(Fine Silver, SV1000)
含有銀量が99.9%以上の銀。柔らかいため、細かい彫金などには不向きだが、最も変色しにくく、アレルギーリスクが低い。
・シルバー950(SV950)
銀の純度が95.0%(950/1000)であることを意味します。残りの5%には主に銅(または他の金属)が加えられており、銀単体よりも強度や加工性を高めています。シルバー925よりも銀の純度は高いが、純銀よりも耐久性が強い、とてもバランスの良い銀の素材です。当店のシルバーペアリング、シルバーバングルはこの素材を使用しています。
・スターリングシルバー(Sterling Silver, SV925)
銀92.5%、銅などの合金7.5%で構成される。強度と加工性に優れ、アクセサリーとして最も一般的な素材。当店ではシルバーペンダント手作りコースで使用しています。
・アルゲンティウムシルバー
近年開発された高機能合金。SV935などの配合で、変色しにくく、耐食性に優れたシルバーです。
・コインシルバー(SV900)
一部のコインや装飾品に用いられる銀90%の合金。ヨーロッパやアメリカでの流通もあります。
シルバーの変色
銀は空気中の硫化水素(H₂S)と反応して硫化銀となり、表面が黒くなってしまうことで有名です。
お手入れ方法はこちらのコラムからご紹介していますのでぜひご覧になってみてくださいね
銀の歴史・性質
「銀」シルバー(silver)とは、元素記号Ag(ラテン語で”Argentum”)で表される金属の元素で、原子番号47の化学元素です。
白く美しい輝きを持つ貴金属の一種で、金(ゴールド)や白金(プラチナ)と並んで魅力を持っていますが、価格が金やプラチナと比べて比較的に安価な金属です。そのため昔から人々から愛され続けている金属になります。
そんな銀はその輝きや加工性のしやすさだけでなく、「電気伝導性・熱伝導性・反射率」の高さにおいて全ての金属の中でトップクラスであり、宝飾品から工業製品に至るまで、非常に幅広い用途で使用されています。
当店でシルバーペアリングを手作りされる際もこの熱伝導性が高いゆえに指輪が熱くなりやすいので、お客様には火傷に注意して頂くように呼びかけています。
加工しやすい銀の性質はこちら
融点(液体になり始める温度) 約961.8℃
沸点(沸騰し始める温度) 約2,162℃
密度 約10.49g/cm³
展延性 非常に高い(薄く伸ばせる)
電気伝導性 全ての金属中で最も高い
熱伝導性 全ての金属中で最も高い
色 明るい白色光沢
硬度 比較的柔らかい(モース硬度2.5〜3)
展延性の高さもさることながら硬度も比較的柔らかい分類のため、加工のしやすさが数字としても顕著に表れているのが銀の特徴ですね。
古代文明と銀
銀の歴史は非常に古く、紀元前3000年頃のメソポタミアやエジプト文明では既に銀が貴金属として扱われていたとされています。当時は金に比べて採掘や精錬が難しかったため、当初は金よりも高価とされることもあったとされています。
金の価値がとても高くなっている現代では考えられないですね。
メソポタミアやエジプトでは、銀の装飾品や容器が王族・貴族の間で用いられました。
この時代ではまだ庶民に銀は流通していなかったことがわかりますね。
ギリシャ・ローマ帝国では、銀貨が広く流通し、経済の中心を担いました。採掘や加工も比較的容易にできる時代になってきました。
中国や日本では、銀山の発見とともに独自の文化や技術が発展しました。特に室町~江戸時代の日本では、石見銀山などが世界有数の銀産地となり、海外との貿易でも重要な役割を果たしました。
中世以降の銀
中世ヨーロッパでは、銀は宗教儀式や王権の象徴としても用いられ、銀細工師(シルバースミス)による技術が発展しました。近世になると南米(ペルーやボリビア)の鉱山がスペインによって開発され、世界的な銀の供給量が大きく変動しました。
現代のシルバーの用途
1. 装飾品・宝飾品
指輪(リング)・ネックレス・バングル・イヤリング・ブレスレットなどのジュエリーに銀は多用されています。よく目にするシルバーの装飾品はスターリングシルバー(SV925)と呼ばれる銀92.5%、銅7.5%の合金が一般的です。これは純銀(SV1000)よりも強度と耐久性に優れています。また量産できる鋳造といった技術で使用しやすいシルバーとなっています。
湘南彫金工房andfuseの手作りコースでは
SV950を使用しているコースが
「シルバーペアリング手作りコース」「シルバーバングル手作りコース」
SV925を使用しているコースが「シルバーペンダント手作りコース」
となっています。
2. 貨幣・通貨
銀は古代から20世紀初頭まで、貨幣の素材として広く使われてきました。現在でも記念硬貨や投資目的の「シルバーコイン」「インゴット(延べ棒)」などがあります。金ではよくアニメなどでも金の延べ棒として見ることがありますが、銀も同じように延べ棒が存在しています。
3. 食器・装飾品
高級な銀食器(スプーン、フォーク、皿)やティーセットなどは上流階級の象徴でもあります。抗菌性に優れるため、実用面でもメリットがあります。
また、昔は毒が含まれていないかチェックするために、皇族などから愛用されていたことも有名な話です。
4. 工業製品・電子部品
銀は電子部品や太陽電池、電池(特に銀亜鉛電池・銀酸化物電池)などにも使われています。その高い導電性を活かし、スマートフォンや家電製品の内部回路にも利用されています。
5. 医療分野
銀には抗菌作用があるため、創傷被覆材や医療器具のコーティングにも使用されています。銀イオンを用いた抗菌スプレーや制汗剤も市販されています。一度は使用したことがあるのではないでしょうか?
現代のシルバージュエリー
銀の魅力は、美しい光沢と経年変化を楽しめる点にあります。最近ではオールドティファニーなども流行っていますね。銀は新品の鏡面仕上げの輝きも美しいですが、時間が経つにつれて硫化という化学反応で黒ずみやくすみが現れます。また、柔らかい素材のため傷などもついてきますが、それが独特の風合いとなって「味」になります。
また、デザインに燻し(いぶし)加工を加えることで、陰影を強調した立体的で重厚な雰囲気を出すこともできます。この燻しはわざと硫化させたいところを決めて硫化させ、黒っぽく風合いを出している加工です。
当店でも燻し加工を取り入れる準備をしていますので、開始次第お知らせいたします!
当店のシルバーペアリングコースでSV950が選ばれる理由
1. 高純度で美しい輝き
SV950は銀の純度が高く、光沢も非常に美しいため、より高級感のある仕上がりになります。「鏡面仕上げ」では自分自身が映り込むぐらい綺麗に仕上げられますよ。
2. 手作り作品に最適
SV925と違い、柔らかい素材のためハンドメイドジュエリーやアーティスト作品に多く使用されています。
加工のしやすさもお客様が手作りをしやすいように当店のペアリング手作り体験ではSV950を使用しています。
3. アレルギーが起きにくい
この項目が一番当店で重要視している部分となっています。
SV950はニッケルや亜鉛を含まないことが多く、金属アレルギーのある人でも使いやすい素材です。アレルギーが心配な方もリングを手作りして、ペアリングが付けれるようにするにはどうしたらいいか考えた結論がSV950を使うことでした。
指輪はアクセサリーの中でもアレルギーが出やすいものです。
もしも心配な場合は当店にご相談いただけたらと思います。
銀についてまとめ
銀(シルバー)について歴史から現代の使われ方などもまとめてみました。
さまざまな使用方法がある中で、やはり美しさの観点からジュエリーとして長年愛用されています。
そんな馴染みのあるシルバーを使って、当店では心温まる体験をお客様にしていただきながら、世界に一つのオリジナルジュエリーを楽しく作っていただけるように湘南でお待ちしております。